■北海道遠征Part2 秘境のカラフトマス!
日にち
天気
気温
ターゲット
8/31(火)
晴/曇
26℃

カラフトマス

場所
潮流
水温
北海道知床
-
-℃

釣行記

10:00〜17:00
6:00〜8:30

北海道遠征2日目は、本命のカラフトマス狙い。
のんびり7時に標津の旅館を出発し、羅臼を経由、相泊まりから渡船で知床半島のさらに先を目指す。

本日はランカーズ釧路の五十嵐店長が同行。2年振りにお会いしますが、覚えていてくれました(師匠と間違えられたか?)。
朝からモヤっていて、出発後の視界はあまりよくないです。が、そのおかげで岸壁がいっそう神秘的に! なんだかジュラシックパークみたいな雰囲気です。
目的のポイントへつく頃には霧も晴れ、晴天になった。そういえばどんな場所へ行くのか詳しく聞かされてい無かったので(R子ちゃんにいたっては、前日までどこに行くかも知らなかったらしい)、想像以上の場所にびっくりした。携帯電話が通じないのは当たり前、電気、水道、ガスも来ていないのだ!

上陸後、宿泊する番屋に荷物を運び込み、さっそく釣りの支度を始める。今回はNewバイオマスターの大きい番手が間に合わなかったので、カルディアKIX3000で挑戦。ロッドはM氏からスカジットデザインズのサスペンド800HDをお借りする。
番屋の目の前は浅いため、少し右側の浜へ移動すると、そこには物凄い光景が! なんと、小さな川の河口一帯にカラフトマスが大挙しているではないか!
すごいです。走ったら絶対に数尾踏みます。小さな川の中にも遡上しているカラフトマスが多数いて、気をつけないと踏んじゃいそうです。この川からは裏の山の方まで入って行けそうですが……どうも、熊が出るらしいです。なので行けませんでした。
「黒いのはなかなか口を使わないから、遠投して銀毛狙った方がいいよ」
こんな状況なので、ルアーはプラグは使わずにスプーンを付けて遠投です。
「手前に来たら気をつけないとスレ掛かっちゃうからね」
アドバイスを受けますが、変なアタリが。さっそくスレ掛かった模様。スレ掛かりだけあって、ものすごく引きます。ドラグが悲鳴を上げてどんどんラインが出て行きます。ドラグを少し絞め、ロッドのパワーで魚を寄せる。思った通り、スレ掛かり……。
それにしてもカラフトマス、凄い魚です。ブナ毛になったオスは背中がこれでもかっていうくらい張り出し、鼻も物凄く曲がり、もはや魚の様相ではないです。目もめちゃ恐いです……。
しかしここでは投げても投げてもスレ掛かり。口に掛かっても黒いブナ毛の魚体のみ。これではたまりません。気がついたらM氏とR子ちゃんがはるか向こうの岩場へ移動していたので、行ってみることにした。

遅れること20分。こちらは足下から水深のある足場のいい磯場。
到着するとM氏が、
「こっちはダメだ。いれば魚見えるもんな」
と引き返す。まさかずが投げるとアタリがあったのですが、R子ちゃんも引き返しちゃいました。
アタリがあったので釣れるだろうとしばらくキャストを続けていると、目の前をカラフトマスの群れが横切った。その後も一定の間隔で群れが横切って行く。群れの進む前方にキャストして、ゆっくりルアーを引いていると、目の前までカラフトマスがルアーを追ってついて来た! 喰え! 岸まで2mというところで、カラフトマスがルアーをくわえた。ヒット! 
足下の海藻に絡まないように気を付けて岩場へ上げる。目の前なので、引きはそれほど楽しめなかったが、上がって来たのは銀色の魚体。綺麗です。感動です!
サイトでヒットした魚ほど嬉しいものはありません。そういえば、2年前アメマスを釣りに来た時も、同じように見えるところでルアーにチェイスしてきてバイトするシーンを目の当たりにして感動した覚えがあります。

遠くにいるM氏の方に手を振ってみるが見える訳もなく、一度魚を持って番屋に引き返すことにした。
「出ましたよ、銀毛!」
「回って来たか」
「ねばり勝ちだね〜!」
R子ちゃんがニコニコしながら言った。
「じゃあ俺もやるかなぁ。岩場は明日の朝やるか」
M氏がロッドを持って五十嵐さんがいる浜の方へ向かっていった。まさかずが岩場に戻ろうとすると、R子ちゃんが、
「岩場行きますか? 一緒に行きましょう」
ということで二人で岩場へ向かった。
岩場へ到着して、さっきM氏とR子ちゃんがキャストしていたほうではなく、
「こっちに投げたら釣れたんですよ。こう回遊しているみたいで……」
数回キャストするが、アタリはない。もっと右に投げると、グイッとひったくられるようなアタリがあった。
「来ましたよ!」
水面を、銀色の魚体が割った。少し先で掛かったので、バラさないように慎重にやり取りをする。目の前の海藻に注意してランディング。
「ほんとだ、銀色だ〜」
上がって来たのは、背中が緑がかった銀毛のメス。なかなかいいサイズです。この頃から、目の前をカラフトマスの群れが回遊し始めた。
「そっち行きました〜!」
「そっち行ったよ!」
二人で声を掛け合いながら、群れを探す。すると、R子ちゃんにヒット! しかし、ばれてしまった。その後またR子ちゃんにヒット。まさかずにはさっぱりアタリがないのに、連続ヒットするあたりさすがです。
上がって来たのはブナ毛にかわっていたが立派なオス。R子ちゃんのカメラで写真を撮ってリリース。その後は回遊も無くなったので浜に戻る。
M氏と五十嵐さんがずっと釣っているので、
「けっこう釣れてるのかもよ」
とR子ちゃんが予想した通り、M氏は銀毛を数本上げていた。
「銀毛も混じるし、黒いのも口使うようになったぞ」
まさかずもキャストしてみると、ブナ毛の魚もほとんどがちゃんと口でルアーをくわえていた。中には、数m先まで戻って来たルアーの動きを見ようとして、そこから巻いたルアーにアタックしてヒットするほど活性の高いブナ毛も混じっていた。
まさかずは銀毛を1尾追加したところで本日は納竿。残りは明日の楽しみにとっておくことにした。
釣り人がいなくなった海岸では、大量のカモメやどこからともなく出て来たキツネが、力尽きたカラフトマスをついばんでいた。その光景はここが自然のまっただ中だということを感じた瞬間だった。

晩御飯は五十嵐さんが用意してくれたバーベキューセットで焼肉宴会! ビールを飲んで肉を食べて、とても幸せな時間を過ごして、
「眠い! 寝るぞ!」
とM氏が言った時刻はなんとまだ9時前!
朝からものすごく長い時間が経っているような気がしたが、実際はまだこんなに早い時間だった。普通だったら12時になっててもよさそうなくらいいろいろなことをした一日だったと思うのに、ここでは時間が濃密で、とてもゆっくり流れているように感じた。
外に出てライトを消すと(熊がいそうで恐かったけど)、空には天の川が横たわっていた。星座が解らないくらいの数の星空だった。
早々と、それぞれが就寝。明日早いですからね。
おやすみなさい。


3日目

翌日、渡船の船長が番屋の中に入って来て目が覚めた。すでに外は明るく、時刻は5時を回っていた。 番屋の夜は想像していたほど寒くなく(というか、むしろ暑かった)、快適な睡眠をとることが出来た。
さっそく着替えて釣りの支度をして、M氏と岩場へ向かった。着くとすぐにカラフトマスの回遊が見られ、まさかずにヒット!
まだ背っぱりの張り出していない銀毛のオス。その後もいい感じでヒットが続く。M氏も左側でヒットしていた。ここでも二人で魚が回って来た時に声を掛け合いながらの釣りになった。
しかし、次第に回遊の間隔が長くなって、R子ちゃんがやってきた頃にはアタリが遠のいた。浜に戻ると、活性が高いようでブナ毛もちゃんと口にヒットしてくるが、銀毛がなかなか出ない。そうこうしているうちに、船長が、
「一度この先にいるグループを乗せて港に戻って、それからまた来るから」
と船を出したので、まさかずたちも帰り支度を始めた。
船が来るまで少し時間がありそうだったので、番屋の前でしばし昼寝。これがとても気持ちよかった。
船が帰って来たので、荷物を積んで海岸をあとにした。時間が許すなら、あと数泊したかった。

相泊もどり、羅臼で向かう。
途中の車中で、R子ちゃんに
「本当に釣り好きなんですね」
と言われたのが、なんかとても心に残った。言われてみればずーっとロッド振ってたような気がするから、そう見えたのかなぁ。

羅臼で食事をして五十嵐さんと別れた。今回は本当にいろいろお世話になりありがとうございました。
女満別空港へ戻る車中で、空港で飛行機を待っている間に、M氏とR子ちゃんといろいろな話が出来た。
今回の釣行は、釣りをしていたからこそ行けた場所であって、帰って来た今でも、あの場所へこのメンバーで行けたことが奇跡のように思えてなりません。知床へは観光で何度も行ったことはありますが、今回、初めて知床の自然に少し触れることが出来たように思えます。そして改めて北海道の凄さを思い知りました。次はぜひ猿払にイトウを狙いに行きたいですね。
「釣りっていうのは旅なんだよ」
M氏の行った言葉が心に響きます。こんな素晴らしい場所へ連れていってもらい、貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
ちょっと大袈裟ですが、人生という長い長い旅の中で、この場所に行けたことは一生の宝物になると思います。
釣りって本当にいいですよね。これからも釣りを通じていろいろなことを学び、考え、感じていきたいです。

 

 

世界遺産に指定された知床ですが、釣り人にとってはこれからいろいろ制約を受けるかもしれません。
今になってやっと無駄なダム(堰堤)の見直しなどの案が出ているようですが、川ではそれに伴う釣り場の規制がかかるかもしれません。海では漁業においても規制が入る可能性があるようなので、釣り人も海釣りではなにかしら規制が入るかもしれません。
世界遺産に登録され、このすばらしい自然を後世に残すことはすばらしいことだと思いますが、現場の状況を見ない役人などがいろいろ規制をすることだけはやめてほしいと思います。
今回釣ったポイントも、当面は規制が入らないようですが(ただし、漁業関係者以外の宿泊は禁止になるようです)、数年後はどうなるか解らないようです。


相泊港を出発。モヤっていて視界が悪いです


知床半島もこのあたりからはこんな景色になります。恐竜が出て来そうです


到着の少し前になって霧がはれた


到着した浜。奥側が海岸の釣り場です


反対側はこんな感じ。しばらく浅いため、遠くに見える岩場までは釣りにならない


わかりにくいですが、波立って見えるのは全部カラフトマスの背ビレです!


釣り場に注ぎ込んでいた細い川。ここにもカラフトマスが遡上していた。左側に見える黒いのがカラフトマスです


川を遡上するカラフトマス。こんな間近で見れます。感動モノです!


釣り上げたカラフトマスのオス。どことなく鳥っぽいような、恐竜(翼竜)っぽくみえませんか?


こちらはブナ毛のメス。小さく見えますが50cmはあります


ブナ毛のオスはこの通りすごい背中をしています


磯場からの景色。こちらは足下から水深があり釣りやすい


磯場で出た銀毛のメス。背中が緑色でとてもきれいな魚体です。


こちらは銀毛のオス。銀毛なので背っパリが目立ちません


高台から釣り場を望む。大自然のなかの釣り場です


帰りは晴れ間がのぞきました。すごい岸壁です


羅臼の町中ではシカの姿が。害獣と化しているようです

釣行結果

カラフトマス(50〜70cm)・・・たくさん

魚の値段

プライスレス!!!

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